小町の木こり DIY

DIYブームに便乗しちゃうっ!

店舗工事のご紹介

急に寒くなりましたね。

と思えば暖かかったり。

季節の変わり目ですかね。

 

仕事もひと段落し、片付けの日々を送ってましたら昔の懐かしい資料を見つけました。

 

六本木で店舗工事をした資料です。せっかくですのでご紹介させていただきますね。
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私もこれまでひと通りの建築に携わってきましたが店舗工事だけは安請け合いしまいと心に決めております。

 

何故ならこちらでご紹介させて頂く店舗で痛い目にあったからなんです。

 

写真は古いですし数も少ないのですが、そんな苦い思い出の店舗工事を見てください。

 

ある時、ある方から店舗を作りたいと申してる方がいるとの事でそのオーナー様に会いました。

 

どうも工事期間がなく、更に工事と設計が同時進行らしい。

その時点で私は腰が引けましたが同席してた木こりのボスが是非とふたつ返事をしてしまいました。しかし、ボスはやり手なので釘を刺します。条件として設計図がないので○○設計士に一任する事

 

契約から工事着手までの準備期間が皆無で設計図書は↓みたいな感じです。
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徹夜で作図したのでしょう。

しかし結局は上記の平面図と↓の仕上げ表のみで工事スタートとなってしまいました。
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もっと写真を撮っておけば良かったなぁ。

最近では写真が大事だとつくづく思います。

 

こちらが入り口の吹き抜け部分です。
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とにかく設計が決まってないから吹き抜け工事の為の足場を組んだりバラしたり繰り返した記憶が蘇ります。
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階段の鉄部はサビ塗装を施してあります。

サビてる訳ではありません。

錆びてる風の塗装ですが、建築の塗装屋さんではお手上げでした。

仕方なくアート専門の方に依頼してスポンジで仕上げてもらったのです。

 

階段の踏面なんかコンクリートが割れてる様に仕上げろとオーナー様からの指示がありました。こー言ったランダムな仕上げは日本人は不得意なんでしょうね。
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壁のレンガはタイルです。張り方はイギリス張りとしています。
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アンティークタイルと言う商品名で納期がかかるし高額だし悩まされた1つです。
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入り口のカウンターです。
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テレビは下地を溶接し夜な夜な2台吊りました。この当時に今の木こりチームがいれば楽出来たのでしょうけど、、、
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このテレビの下のカウンターはオーナー様から苦情が入りました。鉄のカウンターは服が汚れる!と。しかし鉄と指定したのはオーナー様なんですが( ̄▽ ̄;)
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ここらあたりで設計者とオーナー様の関係がショートし始めてました。

そんな中、オーナー様は血迷い別の設計士を依頼し連れてきてしまいました。ひとつの現場に別会社の設計士が2名いると言う前代未聞の異例な事態となりました。

からして見ればオーナー様・設計士2名と指示系統が三つになり困惑状態。

 

入口の写真です。

オープン間近で追加追加が増えて行きます。

しかし連日の徹夜、現場で寝泊まりする状態でこちらとしても追加金額の提示すら出来ず終い。
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2階の工事です。

↓はVIPルーム。

何故赤に塗装するのか?私も設計士2人と不穏な空気に。
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吹き抜けの階段と反対側はプロジェクターを付けよう。オーナー様の鶴の一声で配線の追加が始まります。てかプロジェクターは良いとしてもミラーボールて。ここは喫茶店ですよね?(-∀-`; )
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最初はスケルトン(内装が何もない状態)でのスタートでした。
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2階のカウンターです。

こちらもサビ塗装仕上げをしました。
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床の600角タイルも中々品番が決まらない。漸く決まって納入したらこれじゃない、サンプルが小さいから悪いなどと言われ…>┼○ バタッ

結局タイル買い直して夜な夜な張る始末。

 

カウンターの中に急遽ボトルを置きたいと始まり、ボトル収納を付けろと指示しておいて、その収納が裏側の厨房に出っ張ってる、施工ミスだと難癖付ける。

一体どうしろと?
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業務用の厨房機器はオーナー様が直々に購入したのですが承認図がなければ納期も遅く、それらの遅延は施工側の責任と訴訟を起こされたり…>┼○ バタッ

またミラーボールがあるし…>┼○ バタッ
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窓を隠すためのルーバーを設けました。


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消防の排煙窓なので色々工夫しました。

 

スイッチ類はパンチング+塗装で隠しました。そう言えばこのレンガ調のタイル、途中で色が気に入らないと騒ぎ出して・・・六本木のドンキで大量に家庭用のサラダ油を買い、大勢で深夜タイルに油を塗りました。

みんなで「これはきっと正解ではない」と言いながら。
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喫茶店なのに一部小上がりにしてダンスホールにするとか。

でも全体的な仕上がりは良かったですよ。
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以上となりますが、この工事は請け負い負けのパターンです。

 

いつまで経っても工事金を支払ってくれない。と思ったらオープンが遅れたと逆に訴訟されてしまいました。

 

医療裁判ほどでは御座いませんが、建築もある意味特殊な用語等御座いますので弁護士様に依頼すれば全て丸く収まるってほど簡単なものではありません。

 

工事が終わったあとは裁判用の資料を夜な夜な作成してホント踏んだり蹴ったり。

しかし、異例となりますが裁判官様が現地を視察して下さり無事に請負金額・追加金額・遅延金を回収する事が出来ました。

 

その裁判用の資料、読み返しましたが当時の私はご立腹だったのでしょう。文面が怒りに満ちてました。まだ若かったな。

 

どうして店舗工事は危険なのか?

お施主様側からしてみれば場所を借りて賃料を無駄に発生させたくない。だから早く店舗をオープンしたい。

設計施工側からしてみれば建築には設計や材料の発注、業者の選択などの準備期間が欲しい。

それら双方の落とし所が難しいんですね。

ちなみにこの工事は2ヶ月で作り終えてます。でも海外なら1年工期などザラなんです。あまりに工期が長くオープン前にオーナー側の資金が尽きる事も多々あるようですしね。

 

店舗工事は双方にリスクが伴います。

そんなデンジャラスな工事をご紹介させていただきました。

 では。