小町の木こり DIY

DIYブームに便乗しちゃうっ!

pH値が上がるメカニズムのお話

セメントにはアルカリ成分が含まれています。以前こんな事態が起きました。

 

ある日の夜、排水の土管の継手から油が湧き出てるのでその油を止めて下さいと連絡があり現地へ向かいました。

 

排水管は地中埋設されており言わばコンクリート製の土管です。直径700mmしかありません。その排水は海に直結されてます。

 

あぁ、横浜市に指摘されたらっ!海上保安庁が来てしまったら!等々、どうしても今夜中に対処してほしいと指示されたので真っ暗闇な排水管に入りほふく前進で調査を行い止水剤(急結剤)を持って湧いている油を止めました。↓が止水剤のエレホンと言うモノです。
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5Mと書いてるのは5分=5minuteを表してます。言わば5分で固まりますとの意味合いです。今回は湧いた油(水)だったので1Mを使いました。1Mは超速乾ですので湧き水程度なら止水出来ます。

 

この止水剤は肌に触れると焼けて数ヶ月治りません。モルタルやコンクリートみたいに洗えば大丈夫と言うレベルではないのでご使用の際は気を付けて下さい。

 

話を戻します。

湧いている油を止めた←「流石木こりさんっ!」←そこまでは私もヒーロー扱いされてたのです。

しかしその後に問題が。

 なななんと横浜市様が抜き打ちで水質調査に来られてしまったのです。結果、排水から異常な数値のアルカリ濃度が検出されました。

 

止水剤はセメント系なのでアルカリ性分が分出されてしまうのです。

 

単純に油の問題がアルカリの問題にすり代わり、木こり何してくれてるんだってなりーの、止水剤を使用する前に成分表を調べたのかっ!!なんて苦言を喰らってしまいました。

 

困っている人をほっとけない性分で頑張るまでは良いのですが、私の場合面白い位に裏目が出てしまいます。こうやって痛い想いをして人は成長するもんだなっ~てつくづく思いましたよ┐(´∀`)┌

 

前置きが長くなりましたが、そんな経緯がありましたのでセメントのどの成分がアルカリ性を上昇させるのか?を調べる事となりました。

 

コンクリートの表面積と水量がどの割合でどれくらいアルカリ濃度が検出されるかの実験です。

 

まずコンクリートの供試体を作ります。

イメージはサイコロ作りです。

2.5cmまっ角を作るので型枠となるコンパネもコンパクト。老眼なのでやりづらいです。

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お酒でも入れてみようかな(*´ー`*)

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供試体を作りました。

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水バケツを用意します。

2ℓ、20ℓ、50ℓ、75ℓ、100ℓです。

各々の容器(バケツ)に供試体を投入します。

(この写真には2ℓの容器は写ってません)
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細かいお話はしませんが3時間おきにアルカリ濃度を確認したり24時間事に水を取り替えたり、私にとってこの場所完全孤独のは独房でした(-∀-`; )

 

アルカリ成分をチェックするのはこの機械を使います。pH7.77、これは水道水を計測した数値です。数値は中性を示しています。
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わかりやすい表がありました。

石鹸百科さんから勝手に画像を引用させていただきます。


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セメント系はアルカリ性なので青色の数値になります。海へ放流して良いのはpH8.6未満までです。

pH=ぺーはー と呼びます。

 

2ℓの容器では瞬く間にpH13を振り切ります。しかし10倍の水量である20ℓの容器では数値の変動は微々たるものでした。

 

この供試体を使った実験で分かった事は

①排水が滞留していればアルカリ性が上昇するし排水が流れていれば差程影響が無い。

②どんなに乾いてるコンクリートモルタルでも水に濡れればアルカリ性分が分出する。

 

程度ですかね。

でもそうなるとベイブリッジやレインボーブリッジなど海中にコンクリートが浸かっている工作物は全てアルカリ性分が分出してると考えて間違いないでしょう。

 

次にセメントに含まれる、どの成分がアルカリ性を分出してしまうのか?を調べました。

調べると言っても私の知識の殆どは「ウィキペディア」と「ヤフー知恵袋」で出来てますので大したことはありません。検索するだけです。

 

やはり同じ事を質問されてる方がいました。

その質問への返答にはセメントに含まれるフリーライムが水和反応してアルカリ性分を引き起こすと記載されていました。

 

勉強にはなりますが、文献ではないので確証はありません。最終手段としてセメント販売メーカートクヤマのご担当者様に直接教えを請いました。

 

流石のメーカー様、素晴らしい答えをいただきました。

 

①セメントはなぜアルカリpH値があがるのでしょうか?

セメントが水と中和反応を起こすと水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成します。この水酸化カルシウムが強いpH値を引き起こします。

 

②セメントに含まれるフリーライムが水和反応して水酸化カルシウムになると調べましたがその考え方は正しいでしょうか?

確かにフリーライムは溶け出して水酸化カルシウムとなりアルカリ性分を引き起こします。しかし、フリーライムはセメントの原料を1000℃で燃焼した際に残った有機石灰の事で1%の割合しか残りません。従ってpH値を上げる1番の要因とは考えてません。

 

水酸化カルシウムの中のどの成分がアルカリ性を上げる要因なのでしょうか?

水酸化カルシウム水酸化物イオンとカルシウムイオンの結晶からなるイオン結晶です。直接pH値を上げる成分は水酸化物イオンとなります。

 

④pH値が上がる仕組みを文献としていただくことは出来ますか?

セメントメーカーとしてアルカリ成分が上がる文献やそれらを証明するデーター等は取り扱っておりません。弊社として文献を提出する事は出来ませんが個人的に調べてそれに近い文面を提出するご協力は致します。

 

・・・まるで仏陀様の様な方でした。

 

今回のセメントの成分の話なので殆どの方が全く興味がないでしょうが、いつか私のように困った方がここに辿り着いて少しでも参考にしていただければいいなぁ~と思い書き込みました。

 

せっかくセメントのアルカリ成分の話をさせていただいたので次はコンクリートと鉄筋の相性のお話をさせていただきますね。

 

最後に、今回の失敗をなぜなぜ分析してみました。夜間での私の対応はやはり間違ってました。

①酸素濃度系を用意しなかった事(送風機で空気を送る事は実施しましたが)

②排水管700mmは人が入ってはいけなかった事(緊急時、避難が困難な為800mm以下の配管に人は入ってはならないとの事。)

③止水剤の成分表を調べなかったので今回の問題に至り、その強い薬品で怪我をした事。また発癌成分が含まれているのを知らなかったのでマスクすらしなかった事。

 

いつまで経っても失敗ばかりです。

とほほ・・・